アプリコット姫を救え! 第3話 「注意一秒火事一消・博士は急に止まれない。」



「プレッツエル、これは・・・」
カフェラーテが立っているその場所は、ついこの間まで「魔の塔」がそそり立っていた、その残骸が
残された、その場所。
「建物が魔法によって崩された後・・・という感じですね。察するに、アプリコット姫様が強力な魔法で
こんな風にしちゃったんじゃないでしょうかねー・・・。」
騎士プレッツエルは飄々と自分の予想を語る。
「・・・それっぽいね。でも、それじゃあ、アプリコットは・・・?何処へ行ったというんだ??」
カフェラーテは眉間にしわを寄せて辺りを見回しながら、婚約者の身を案ずる。
「アールグレイ殿とガナッシュ殿は一体何をして居られるのでしょうかね・・・。
ううん・・・・・ここで一体何が起きたのでしょう。予測なんて、姫様が塔を壊したのだろうとしか
思いつきませんよ・・・。どうなさいます?」
「そうだな・・・情報収集だ。この先に、温泉の湧いた旅の宿があるはずだね。
人里はそこまで行かないと無いから、そこで何か話を聞こう。
塔が壊れたんだ、騒音くらいは聞こえて、何があったかと話しているかも知れないし。」
「はい、ではそちらへ参りましょうか。(これで方向音痴じゃなきゃ、なかなか聡明で頼もしいんだけどな。)」
口には出さない感想を思いながら、その方向音痴の王子を、正しい道へ先導するプレッツエルだった。

そしてこちらは、その温泉宿。一晩明けたところ。
「うーん!いい朝だなーっ。」
珍しくアールグレイはガナッシュより早く起きた。風呂場であんなことがあっても、同室で寝ていたのだった。
「ガナッシュ〜!!朝だぜー、起きろよ〜。」
ガナッシュより早く起きたのは初めてだったので、嬉しくなって、いつも自分より早起きの相棒を
起こしてみるアールグレイ。
寝顔を上からのぞき込んでみる。
「・・・・・。」
(ガナッシュの寝顔って何かかわいい・・・)
思えば、こんな風に寝顔を上からのぞき込むなんてことは、初めてだった。
野宿になった時でも、つい自分が先に寝てしまう。自分が不寝番をしていても、ガナッシュは油断無く座って
剣を手にしたまま寝ていた。そういうときのガナッシュの顔は厳しい。
「ガーナッシュ!朝だってば。起きろよー。」
「・・・んん・・・・・わかってるよ・・・今起きるから・・・」
寝ぼけた声を毛布に埋めて、珍しく寝起きがすっきりしないガナッシュ。
アールグレイは、珍しく寝ぼすけな相棒を起こそうとカーテンを全開にする。
朝日が木漏れ日となって、きらきらと眩しく、狭い部屋を照らした。
「まぶし・・・」
ようやく体を起こしたガナッシュは、朝日に照らされて、いつものように脳天気な笑顔の相棒を
目を細めて見つめる。
昨日、アールグレイに対して持っていた二つの隠し事のひとつを知られてしまった。
しかもあんなシチュエーションだった。
でも、アールグレイは、「ガナッシュはガナッシュだろ。」と、いつもと何も変わらず接してくれる。
ガナッシュは、彼のそんなところが好きだった。剣の腕前だけで騎士団にいるような、
子供じみてて頼りなくて、情けないと思うこともしばしばだけれど、
彼の脳天気で朗らかな、優しさが好きなのだった。
「なんだよぉ、そんなに見つめられたら照れるじゃん。」
「・・・あ、いや、なんでもない。今何時?」
「ええと、8時だ。あっ!朝飯!!早く行かないと、9時までには食ってくれって言われてたじゃんかっ!」
「ああ、じゃあ顔洗うから、先に行ってていいよ。」
「そっかあ?んじゃ、めしめしっと♪早く来いよ〜。」
「ああ。」
脳天気なアールグレイの姿が扉の外へ消えるまで、ガナッシュはそれを見つめて微笑んでいた・・・。

「あらおはよう、御寝坊さん。」
宿内の食堂では、ミントとカルボナーラがデザートの果物をつまんでいるところだった。
「ミント様おはようございます。あ、カルボナーラさんも。」
「何よ、アタシはついでみたいね。」
「そういうわけじゃないけどさ、美味そうだなあ、熟れたラップルの実!」
ラップルの実。この世界に存在する、木になる赤い果物。甘くて美味しい。手のひらサイズで、
魔力・・・いわゆるMPを回復する薬にも使われる。
「ええ、とっても美味しくてよ。私、こういう庶民的な暖かいお料理って好きだわ・・・。
ああ・・・お姉様と一緒に、こんなお食事をしたいわ・・・・・。」
ミントは、オーバーなリアクションで、姉の身を案じつつ、シスコンなドリームを見ている。
その時だった。
「大変だ!!」
「てぇへんだてぇへんだっ!!!」
「なんだ?どうした?」
「火事だ!東の離れが燃えとるっ!!」
「なんだって!?」
たちまち宿内はざわざわと騒ぎ出す。
そんな最中にガナッシュが食堂へやっと来た。
「どうしたんだ?何かあったのか。」
「ガナッシュ、火事らしいや。どうしよう、消火手伝いに行くべきか?」
アールグレイは、飯もまだ食えてないのに・・・と、相棒に意見を求める。
「こんな森の中の宿だ、消火のそなえが充分じゃないかもしれないし、人手も無いだろう。行くぞ。」
「わかった。」
「ミント様達は、万が一の避難の用意をしつつ、待っていて下さい!」
「え、ええ。ど、どうしましょう。がんばってね??」
火事騒ぎに驚いておろおろしているミント達に避難の用意をするように言って、
騎士二人は消火を手伝いに走った。

カフェラーテとプレッツエルが、夜を徹して宿まで来たのが、その時だった。
途中で休むことを、カフェラーテのはやる心が許さなかったのだ。
「なんだろう。朝から騒がしいけれど・・・。」
「行ってみましょう。」
逃げようとする客、おろおろする客、火事場見物に行きたがる客・・・
そんなに客が沢山いたわけでもないのだが、混乱すると人はわらわらと人だかりを作って、
余計に混乱を招いたりする。
そんな混乱の中、カフェラーテは、落ち着いていそうな人に話を聞いてみた。
「火事なんだってよ。東の離れとかなんとか言ってたな。こっから火の気は見えないけど、
きな臭いのが時々風でわかるだろ?まあ、たいしたことないんじゃないか?小火だろ。」
カフェラーテが話を聞いている間に、プレッツエルは見慣れたふたつの姿をちらりと見つける。
それは、消火に走る騎士二人の姿だ。
「カフェラーテ様、今、ガナッシュ殿とアールグレイ殿らしき姿が・・・。」
「なんだって!?アプリコットは?」
「解りません。お二人らしき姿が、あちらへ走るのをこの目で見ましたのみで。」
「あっち?東の方ってことは、火事らしい離れへ?とにかく行くよ!」
「はい。(方向音痴の割には、瞬時に方向を確認出来るんだなー。)」
口にしない感想とともに、プレッツエルはカフェラーテの後についていった。
東の離れの方角へ、間違わずに。

「お姉ちゃんっ!!!全くばかばかばかっ!!!!!
どうするのよ、こんな小火出してっ!
才能無いんだから、魔法なんて使わないでよっ!!いっつも失敗して、こういうことになっちゃうんだからっ!」
「ごめんってば〜。お姉ちゃんって呼ばないでくれる?」
「今そんなことどうでもいいの!!!」
東の離れに宿泊していた、ロゼとゼリー。
どうも、上手く使えない魔法に、ロゼが失敗して、小火を出してしまったらしい。
危ないからと避難させられたが、責任を感じて消火に参加するロゼ。
そこへ騎士二人がいち早く到着する。
「手伝います!」
「助かるよ!」
アールグレイと消火作業をする人との会話。
「これは・・・魔法の火だな・・・。
すいません、みなさんよけていて下さい!これは魔法による炎ですから、私が消しますので!」
そう言いながら、ガナッシュは消火する人達の前へ出ると、呪文を唱え始めた。
「アウリアル・フレイラ・ジェティーニ・・・ハウ・シュテル・アン・アテルス」
唱え終わると、一瞬にして小火はすっかり消えた。
「あれま、消えてくれたよ。あんた、なにやったんだい?」
消火していた宿の女将さんが、目をぱちくりさせて、ガナッシュの顔を見たり、消えた小火のあたりを見たり。
「ええと、簡単に言うと、魔法の炎は魔法の精霊の力によるものですので、
炎の精霊に、消えて下さいと呪文でお願いしたんです。」
魔法などなにもわかりませんという顔をしているその場の消火人員に、なんとなく解るように
説明するガナッシュ。
「素晴らしい。」
そこへ現れたのが、犯人ロゼだった。
「精霊を諫める術を拾得しておいでとは、いやはや、貴女は本当に素敵な方だ・・・。」
「あ、ヘンタイキザ野郎。」
そんなことを思わず言ってしまったのはアールグレイ。
「誰がヘンタイキザ野郎ですか、失礼な。」
「ああすいません。でもホント、ガナッシュ何やったんだ?俺魔法はさっぱりだから・・・。」
「私が説明致しましょう。」
そう言って、一歩前へ出て語り出すロゼ。
「そもそも、一般の魔法とは、精霊の恩名を唱え、その名の組み合わせで
それぞれ個々の、属性も威力の違いも操るものなのです。
彼女が見せてくれたのは、その精霊の恩名を唱えたのち、ハウ・シュテル・アン・アテルス。
これは精霊にはたらきをやめるように言う呪文です。
この小火の炎が、アウリアルとフレイラとジェティーニの組み合わせによる炎魔法だと見極め、
ハウ・シュテル・アン・アテルスの呪文によって・・・」
「もうなんとなく解ったからいいよ。」
アールグレイが長く止まりそうにない語り演説を横から止めた。
周りはまるで聞いておらず、小火の後始末をしている。
「お客さん・・・」
女将さんがロゼにやんわり話しかける。
「・・・部屋で、魔法を使ったのかい?弁償して貰えるかね。家具がけっこう燃えちゃったんだよ。
困るねえ、まったく・・・」
くどくどお説教されるロゼ。当たり前。
そんなときに、小さな人混みの中から、カフェラーテとプレッツエルが、騎士二人を発見する。
「アールグレイ殿、ガナッシュ殿。」
「あ、プレッツエルじゃん。どうしたんだ?」
アールグレイはきょとんとした目をしている。
「どうしたんだじゃありませんよ・・・。何やってるんですか。」
「えーと、色々あってさあ・・・」
「アールグレイ!アプリコットは!?アプリコットはどうしたんだ!!?」
横から突然、カフェラーテが詰め寄る。
「かっカフェ様!?どうなさったんですかっ??」
アールグレイ、今度はギョロ目で驚く。
「どうしたんですかじゃないよ!アプリコットを助けに来ている筈じゃないのか!?
どうしたんだ、アプリコットは!?」
「あの、あとで、ちゃんと説明しますから・・・。色々ごちゃごちゃとあったんです。」
今すぐ説明しろと言わんばかりのカフェラーテの瞳。
そんな中で、プレッツエルはロゼの姿を見ていた。
「・・・ああ、やっぱり、ロゼ博士ではないですか。」
その声に、ロゼは振り返る。
「・・・おや、君はたしか、騎士のプレッツエル君。」
「あれ、知り合い?」
プレッツエルの顔を見ながらロゼの方へ手を向けて、そう言ったのはアールグレイ。
「知り合いも何も、以前僕、こちらのロゼ博士の魔法研究所で見張りとかやってたんですよ。」
「・・・あんた、博士だったのか。」
へぇ。という顔で、アールグレイはロゼを見る。
すると後ろから、話を聞いていたガナッシュが口をはさむ。
「もしや、あの有名な、ロゼ・ボジョレーヌーヴォー博士ですか?」
「あ、ええまあ。」
照れたような困惑した様な顔で頷くロゼ。
「・・・ロゼ博士は女性だったような・・・。」
「ぎくっ」
「だったようなも何も、ロゼ博士は女性ですよ?」
人のことを言えないガナッシュがぼそっと呟くと、すかさず「何を言ってるんですか」とばかりに
プレッツエルが逆に不思議そうに言う。
「へーえ。女の人だったのか。じゃ、ガナッシュは女にナンパされたワケ?」
ややこしいな、とまでは言わず、妙な表情で言うアールグレイ。
「は、ナンパしてたんですか博士。・・・あれ?それじゃあ、ご趣味改善されたわけですか?
それじゃ僕もチャンスが巡ってきたわけですか??」
うきうき顔で喜ぶプレッツエルに、首を傾げるロゼ。
「・・・・・もしかして、貴女は、・・・男性とか?」
ガナッシュに向かって、恐る恐る聞いてみるロゼ。
「・・・そうですが。」
「・・・・・・・・・」
額に手を当てて、沈黙するロゼ。
吹き出しそうになってるのはアールグレイ。

「本当にお久しぶりですわね、カフェ様。」
「ああ、ミントも元気そうで、こんなところまで二人についてきているなんて。」
「だってだって、お姉様のことを思ったら・・・ああっ、今頃どうしているのかしらっ・・・。」
「大体の話は聞いたけど、全くそのバケットというヤツは、あのアプリコットが手も足も出ずに
捕まったとすると、そうとうな魔力だね・・・。」
カフェラーテは難しい顔でお茶をひとくち。
「魔王がこの女性だというのも、何だか信じられませんが。」
プレッツエルもお茶を頂きつつ、唸る。
「とにかく、魔界へ行かなくては!僕も行くからね。」
お茶のカップをかちゃんと音を立ててソーサーに置きながら、カフェラーテは言う。
「カフェ様が言っても聞いて下さらないのはよく知ってますから、今更止めませんよ。」
アールグレイはそう言いながら、ガナッシュの顔を見る。
それに答えて、ガナッシュは言う。
「止めても帰って頂いても、カフェ様ならついてくるんでしょうから。
我々が、姫を守れなかった責任です。カフェ様もミント様も、この命にかけてお守り致します。」
「ついでだからプレッツエルも来いよ?」
アールグレイが言った。
「え?あ、はい。」
飄々と返事するプレッツエル。
後ろで、ずっと話を聞いていた、ロゼとゼリー。
ロゼが突然、口をはさんだ。
「私も同行させて頂きたい。」
「は?何で!?危険なんだよ?あんた、何しに行くつもりだよ。」
アールグレイは怪訝な顔で、止めようとする。
「私は一般の精霊魔法以外に、魔族の使う闇魔法にも少しは通じております。
・・・使えるわけではないのですが。
魔界には、未知なる闇魔法にたびたび見舞われることと思います。
みなさんは闇魔法の恐ろしさを知らないでしょう。私の知識を、お役に立てて頂きたいのです。」
「カルボナーラさんがいるからいいよ。」
熱弁をあっさり返すアールグレイ。
「・・・アタシ、魔法はあんまり詳しくないのよ。操ったりする妖術ならいけるんだけど。
このヒト、役に立つと思うわ。魔界じゃ、光属性の精霊達は、力が弱まるらしいから。」
カルボナーラはそう言う。
「その通りです、セクシーな貴女。」
「ありがと。」
「光属性の一般精霊魔法は、闇の世界では上手く働きません。
闇の世界では魔族側に地の利があるというようなことです。
私はその地の利を、少しは知っておりますと言っているのです。どうか、お連れ下さい。」
研究心にも火がついているロゼ博士、丁寧に弁を振るいながらも瞳には光が。
「ロゼ博士、闇魔法の研究心に火がついてますね。まあ、博士の御身は私がお守りしますから。」
プレッツエルは内心どこか嬉しそうである。
「プレッツエルはこの方がずいぶんお好きな様ね。」
ミントが、鋭い乙女の瞳を興味深そうに輝かせる。
「いやあ、そうはっきり言われると照れます。」
飄々と照れるプレッツエル。
「たて食う虫も好きずきか。」
ぼそっと呟くアールグレイ。

かくして、ゼリーを残した一行は、魔界への道を行くこととなった。
魔界への入り口は、まだ少し遠い。

「おい仮面野郎!どうでもいいが、俺様をこうしておいて、どうする気なんだよ?
大体お前何なんだ!?」
アプリコットはいいかげん疲れが出ていた。威勢のいいいつもの荒い言葉も、歯切れが悪い。
「どうでもいいならいいではないか。」
バケットは揚げ足を取るように嘲笑する。
「むかつく・・・。どうでもよくねえから、何なんだ、てめえは。」
「・・・私はバケット。魔界王ブラックペパーの正妃だ。」
「は?正妃??あんたも女かい。そういや、低いけど女の声と思えばそうか。」
「女ではないさ。」
「え゛・・・男かよ。正妃だろ??」
「男でもない。」
「・・・・・どっちでもないと、何なわけ?」
「ふふふ、お前の前世と同じさ、ソルト。」
「ソルト・・・?ソルトって、精霊5柱神の・・・」
「出てきたらどうだ、ソルトよ。」
バケットは、アプリコットを見ながらそう言う。
数秒の間の後、アプリコットの表情が変わる。
「・・・バケットよ、よくわかったな。私がアプリコットの中にいることを。」
「ふふ・・・ソルト、久しぶりだね。」
「フン、何を企んでおる?」
「ふふふ、精霊第2柱神ソルトを、まず捕らえたわけだよ。
そのうちその娘の妹・・・1柱神シュガーもやってくることだろう。
最初は気付かなかったさ。でも、カルボナーラを迎えに行ったときにお前とシュガーの力の破片を
垣間見たのでね・・・。
あることを思いついたよ。精霊5柱神が、5人全員人間界から離れ、この魔界へ来たら、
どうなるかな・・・?精霊神の力が少し弱まったら・・・。」
仮面の下で笑みを浮かべて、バケットは言う。
「・・・くだらんことを考える・・・・・。そんなことをして、世界でも手に入れるつもりか?
バケット、いや・・・ミーソよ。」
「その名で呼ぶな。今の私は、魔界王ブラックペパーの妻、バケットだ。」
「あいかわらず馬鹿な奴だな、ミーソ。」
「その名は捨てた。その名で、二度とその名で呼ぶな。」

「ねえ、次の宿へは、どの位?私、もう足がくたくたなの。」
ミントは、足を引きずって歩いていた。
「少し休もうか。たしかにずいぶん歩いたし。」
ガナッシュはそう言いながら、ミントの足を気遣って座らせる。
一行がそこへ腰を下ろしたとき、騎士3人は顔を合わせて、声をひそめて話し出す。
「何かつけられてるよな。」
「盗賊でしょうか。」
「かも知れない。」
物陰に人影ひとつ。それは盗賊のものなのか。

「んふ。いいカモかも。腕が立つのが何人かいるけど、足を引っ張りそうなのもいるわ。
この盗賊パエリアの、今日のご飯のかわりに、金品は頂くわね・・・。」

「ゼリーは無事研究所へ帰れたのだろうか・・・。」
ふと妹を心配するロゼ。
「腹減ったなあ・・・。」
脳天気なアールグレイ。
「暗くなる前には村へ着きたいし、ミント様、失礼でなければ、私が抱きかかえて歩きますよ。」
「ガナッシュ・・・ありがとう。でも何だか恥ずかしいし、そんな情けないことを言っていては
足手まといみたいだもの、私は大丈夫よ。足も少し疲れただけだから。
さあ、行きましょうか?」
「そうですか?」
「ええ。もう楽になったわ。」
そう、一行が足を進めようとしたときだった。
「これ以上来ないで。」
少年が、突然道をふさいだ。
「駄目です。これ以上来ては駄目です!」


つづく・・・。
04 2/28Up
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3話あとがき。

精霊5柱神、お料理する方ならすぐわかったでしょ?
さしすせそです。
とにかく口にできるもので名前統一してますが、魔法は適当にその場で作ってます。
今回まともっぽいなあ・・・。(笑)
次回へ続きます。


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