・・・この物語は、「蒼天の勇者」が、「蒼竜騎士団のリーダー」と出会う前の物語である。


第一話 依頼


 
その日は快晴、カーナディア王国の都市のひとつであるメニディの町の空は蒼く蒼く晴れ渡り、清々しくもほのかに眠気を誘う様なそよ風が吹く。
季節は冬が近く、そろそろ風も冷たくなっても良かろうが、その日は気温も高く暖かい。街の中も人が多く賑わっている。
この町には冒険者や傭兵の稼ぎをになう、「冒険者ギルド」というものがある。
登録しておけば、仕事の依頼がギルドを通してやってくる。内容はそれはそれは様々で、支払われるものもピンからキリまでだ。
町の一角、安い貸部屋。そこをとりあえずのねぐらにしている冒険者がいる。
少女は名をアルフィンという。空のように青い髪は長く、いつもポニーテールにしてある。歳は今年で十八歳で、いかにも活発そうな、元気の良い娘であった。
背に、剣ではなく刀。サムライブレード天水丸と、アルフィンは呼んでいる。
連れが二人いた。ひとりは名をディランといい、アルフィンと同い年の少年だ。
背に大きめの片刃の剣を持っていた。十八の少年にしては幼げな容貌で、背丈もアルフィンより少し高いくらいだ。
もうひとり、ルシアン。長い黒髪の、妖しさすら感じさせる、人形の様な白い美しい顔をしているが、少年である。傷を癒す魔法を使う、プリーストであった。
三人は、このメニディの冒険者ギルドに登録している。アルフィンをリーダーとして。
とはいえ登録して間もなく、依頼はまだ一度も来たことがなかった。

「あー今日も依頼ナシかー?登録したのは良いけどよ、ちっとも依頼なんて来ねぇじゃねーか。」
ディランは長椅子に寝転がりながら、いかにも暇だという表情で言う。
「まあ、登録したばかりだし、最初はなかなか、無名の新人に仕事なんてくれないんじゃないですか…?」
そう言ったのはルシアンで。そう言いながらも暇そうなのに変わりはない。冷たい茶をちびちびと飲んでいる。
この三人組の財布を預かっているのは彼だが、田舎から持ってきた資金の尽きる日を心配している。
「勇者アルフィンのネームバリューもなかなか効かないってか。」
ディランはそう零す。悪気はない。


「勇者って言っても、ちょっと偶然王様の危機を救っちゃっただけだよ、そんな肩書き貰ったってねえ。あたしの名前で売ろうなんて思わないでね。」
アルフィンがそう返す。彼女はサムライブレード天水丸を手入れしている。
「お前の名前も無かったら、俺達タダのガキじゃねーか。」
ディランが打ち返す。
「腕にはそれなりによりをかけて料理するんだけどなあ〜。」
アルフィンはサムライブレード天水丸をかかげてみる。窓からの光で、刃が反射光を放つ。
「何だか危ないんで止めて下さいアルフィン。」
ルシアンはいつも、アルフィンとディランの漫才を静止する役目だ。

彼等は腕にはそれなりに自信が…なくもない。実際アルフィンとディランの剣の腕前は、たかだか十八とは思えないものである。
少々荒っぽいが、そこらの魔物も、例えば衛兵などを職にするような大人の戦闘力よりもずっと頼りになる。
だがしかし、依頼は来ない。それが現実。伊達に食べ物の美味しい町メニディ、ついつい食費がかさむのを、ルシアンは頭の中でそろばんを弾きながら嘆いたりする。
彼等は、もともとカーナディア王国の北にある国、グラスネイド王国の田舎に住んでいた幼馴染みで、三人が三人とも親を早くに亡くしている。
ディランには姉が居るが、小さな時に生き別れになっている。
不幸な身の上のようだが、彼等はいつも明るい。だが、早くも十代後半にして、食い扶持を自身の手でまかなう身の上にならずを得なかった。
…なのに、依頼が来ないという話。
「窓、閉めますよ。」
そろそろ風の冷たい夕刻、ルシアンは窓を閉めた後、薄手のショールを羽織った。
ギルドの仕事の知らせは今日も無しかと、若干の期待は今日も消えたかなと、思っていた頃だった、が。
来客だ。金髪の美女だ。三人にギルドのことを教えてくれたのは、その金髪美女だ。
女は剣士だった。田舎からメニディに出てくる道中で出会った。名をライオレッドという。「やあ、暇そうだな。」
金髪美女…ライオレッドは、三人の顔を順番に見ながら、笑う。
そして、言う。
「お前達に初仕事の依頼なんだが…聞くか?」

「依頼!マジっすか!」
「聞くよ〜暇だし。」
反応の良いことだと、ライオレッドは笑っている。だがルシアンだけは違う。
「内容は聞きますが内容によります。」
そんなことを言う。喉から手が出る程欲しいものでも、内容による。大体何故同業に身を置くはずのライオレッドがそんな話を持ってくるのかと。
「アホかルシアン、選り好みなんてしてるほど、俺達の懐は余裕がないんじゃねぇの。」
「無いですよ、でも内容は聞かないと。」
あくまで冷徹に対応するルシアンと、やる気満々なディランの差が可笑しくて、ライオレッドもアルフィンまでも笑う。
「受けるなら懐は暖かくなるぞ?」
男のような言葉遣いの金髪美女は、それでも気品がある。
ライオレッドは三人の反応を待つ。
「どんな依頼なの?」
平凡だが当たり前な切り出し方で、アルフィンはライオレッドの次の言葉を待つ。
ライオレッドの表情が若干変わる。
「…とあるお方の警護だ。依頼主殿が勇者に直々に頼みたいと仰ってな。」
「あたしにってコト?」
アルフィン、表情自体は変えないものの、瞳が鋭さを帯びる。
そうだ、とライオレッドは言った。
「ネームバリュー効いちゃったよすげえ!」
それで喜んだのはディランだった。既にやる気満々、素直な性格だ。
依頼主はどういう人なのかと、アルフィンは尋ねた。
「依頼を聞くなら直々に話したいと仰っていた。身分のある方だ。」
濁されるが、アルフィンは「ワケありなんだね」と、受けた。
「すまんな、話を濁すのは趣味ではないんだが。話をするなら部屋を用意してあるぞ。」
聞かない訳にいかない感じじゃねえか、とディランは冷や汗を流す。
「わかった、行こうか。…ご指名みたいだしね。」
アルフィンはそう言った後ルシアンの顔を伺った。ルシアンもライオレッドの事は信頼している。
それに、わざわざ「勇者アルフィンに」と言われては、話を聞いてみたくもなる。

腕を買いたいということなのか、わからないが、リーダーとして信頼するアルフィンと、やる気満々なディランの前に、ここでワケありな依頼を自分が切ることは出来ない。



 小綺麗な宿だった。レストラン、酒場もある。少し宿代は値が張るような所だった。
そんな所に連れてこられては、報酬の方に期待してしまう。
宿の奥の方まで入っていくと、言ってみればスイート、みたいな部屋があった。
とびらの装飾、丈夫さなんかが違うのがわかる。身分がある人…一体何物かと、ルシアンは緊張してしまう。アルフィンを見れば、平然としている。ディランも緊張している様だったが、宿の奧、というものにも反応している様だった。こんな所には泊まったことがないから。役人なんかはこういう所に泊まるのだろう、と想像してみたりする。

「お連れ致しました。」
部屋の中にいたのは、緑色の髪をした、耳の少し尖った・・・エルフの様だった。
エルフの年齢は人間とは違うという話はあるが、そのエルフの男性は若かった。
その男性は、三人の中から元気の良さそうなポニーテールを見やり、アルフィン殿ですね、と声を掛けてきた。
「はい〜、ご指名のアルフィンです。」
その言葉の後に、アルフィンはディランにポカッと軽く殴られる。
「ハハ、楽しい方々のようだ、これなら相応しいというものです。」
エルフの男性は笑っている。
「あの…ご依頼の内容と…お名前をお聞きしても宜しいでしょうか…。」
恐る恐る、ルシアンが言う。まだ緊張しているようだった。
「これは失礼。私はセイグランス。エルフの国エルフォレアの王子です。」
微笑みを浮かべながらそう答えたエルフの男性…セイグランスは、身分も何も王子様。
流石に三人揃って驚いた。続いて依頼の内容を話しても良いかと問われ、こくこくと頷く。
「私はカーナディア国王より、王子であるレナン殿の護身を承っておりましてね。王子は森の隠れ里にて、静かに勉学に励む日々です。最近になって親身が狙われることが多くなりましてね、近くに護衛を置きたいのです。」
淡々と、でも流れるように、セイグランス王子は話した。
「あた…私達は王子の護衛ですか?」
アルフィンは問う。
「ええ…お受けいただけるなら、続きをお話ししますが、如何でしょう。」
何かいちいち話を濁すなと、アルフィンは王子の顔を伺う。そして、ここに連れてきた、
ライオレッドの顔を見た。
「受けるが良いよ、実は私の妹も王子の元に居るのだ。」
ライオレッドは笑顔だった。
アルフィンは真っ直ぐ見て言った。
「わかりました、お受けします。その先は大切なお話みたいですね。」
後ろで少し動揺したようなディランの気配も、黙して聞いているルシアンの気配も感じた。なんとなく、カンだった。この話は受けよう、と。
「ありがとう。アルフィン殿は聡い方の様ですね。」
エルフの王子は嬉しそうであった。そして、事の真相を王子は語る。

カーナディア王国の王子レナンは、国王と正妃の間に生まれた、王太子。古い法律が変わらずにあるカーナディアにおいて、王位継承者は男子でなければならない。だがしかし、現国王と正妃の間に生まれた王位継承権を持つ王子レナンは、実は女性だという。王位をつけ狙う者が絶えない中で、国王はやっと生まれた女児を男として育てた。レナンが生まれたとき、男児への期待の中で、国王は「男児である」とうっかり言ってしまったのだという。引っ込みがつかないまま、第二子は望めず、レナンを森の中に隠してしまったわけである。妾の間にも、女児だけしか生まれなかったという。
レナンも歳はもう十八になり、困ったことに美しく育ったという。
本題はそこではなかった。親身に控えるのは、ライオレッドの妹だというアルオンという側近と、学友として共に育っている貴族の息子であるラディエルという少年だけだという。年の近い友達と呼べる者が、それしか居ない。友達と言うよりは臣下。
だから。年の近い者を、護衛の意味も込めて、置きたい、と。
ははあ、そういう話かと、三人は顔を見合わせた。これはまた、国家機密ではないか。
だが、セイグランスの依頼の真意は、そこではないようだ。
「私はお姫様のお友達っていうことですね。」
アルフィンがそう言うと、セイグランスはさも嬉しそうにした。
「左様。レナン殿は活発な方ですから、アルフィン殿とは気が合うでしょう。」





翌日、三人は森の隠れ家へと発った。
「何かとんでもない依頼が来たモンだよな。」
ディランは唸っていた。
「いいじゃない、お姫様のお友達になんか、なかなかなれないよ〜。」
アルフィンはさも楽しそうだ。ルシアンも意外にも乗り気で、「人としても腕も買われた」と、評価していた。ただ、ここであのライオレッドは一体何物なのだろうという疑問が湧いていた。王子の側近に妹が着いているということは、あの女剣士もそれなりの身分だろう。なのに傭兵家業でギルドに登録しているなんて、一体どういう話だと。
森の中の隠れ里は、確かに奥まった森の中のそのまた奧、魔物退治をしながら進むような所だった。だが、進むにつれ魔物の気配も少なくなっていった。人里が近いということだ。
隠れ家の入り口は短い洞窟で、それを抜けると人家の姿が浮かんできた。
内密な話故、案内役は居らず、三人は地図などを頼りに里まで来た。
「ここでいいのかなー。」
「ここじゃなかったらおかしいってくらい隠れ里じゃねーか。」
「アルオンという方にまずお会いしないと…。」
きょろきょろしながら、建物の前に立つ。ノックしようとしたまさにその時、後ろから声がした。
「おい!お前等アレか?今日から俺と一緒に勉強することになってっていう奴らか?」
振り返ると…短い髪の女の子が居る。
「…レナン王子、ですか?」
アルフィンは、妙に間の抜けた言い方で問う。
「そうだ、俺がレナンだ。」
そう言うレナン王子は、可愛らしいという印象を受ける顔立ちで、王子という感じではなかった。俺、というのが何だか似合わない。
「あ…えっと。アルフィンといいます。あと、友達のディランとルシアンです。合わせて宜しくお願いします!」
一瞬の動揺を隠すように、元気よく自己紹介した。レナンは嬉しそうに、大きな瞳を輝かせる。
「そーかそーか、俺はレナンだ…ってさっき言ったんだった。俺さあ、一緒に勉強できる友達欲しかったんだよ。何か嫌な奴はひとり居るんだけどな、あいつ嫌いだからいなくていいんだ、お前達が来てくれて本当に嬉しいよ!」
そう、元気の良い、妙に歯切れの良い声に、三人は何と答えたらいいかわからなくなった。
「何か王子って感じじゃ無…」
ディランが零すと、ルシアンが足を軽く蹴った。
「嫌な奴って、ご学友とは仲良くないんですか?」
妙に普通な質問をするアルフィン。
「あー、ラディエルはなぁ…嫌味ばっかり言ってきて、ホント嫌な奴だからさぁ…。」
この王子様は、どうしてまた、こんな言葉遣いになってしまったのだろうと、ルシアンは思考が逸れた。嫌味な貴族なんて俺も嫌だよとディランは思った。
噂をすれば影、とはよく言ったもので、話を聞いていたらしい。学友ラディエルが歩いて来る。ディラン的に、別に嫌味な貴族って感じでもないなと思った。
「良かったな、新しいオトモダチが出来て。」
第一声。
「ラディエル…!」
レナンはラディエルを睨む。
「これからは楽しくなりそうでなによりだな、こちらとしても馬鹿な王子の世話を焼かなくて済むようになるならなによりだ。」
第二声。
「っく…!ほんっとに嫌な奴だなお前は!もう口聞いてやらないぞ!」
レナンは対抗するが、三人は思った、口聞いてやらないって、可愛い抵抗…。
「フン、本当に幼稚なことしか言えん奴だな。」
第三声…。
「くーっ!むかつく。腹立つ。な?嫌な奴だろコイツ!」
子供の口喧嘩だ…。ルシアンは思った。その矢先、後ろで扉が開いた。
「まあ…気がある子には意地悪したいのが少年の心ですからね。」
そう言って現れたのは、金髪の女性だった。レナンが「アルオン!」と言ったので、三人は合点がいった。なんとなくライオレッドに似ている。
「これからは一緒に暮らしていくことになりますね、良かったねレナン。」
アルオンというこの女性は、見るからにクールで、知的な感じがするなと、そう、ライオレッドにやっぱり似てるなとアルフィンは思った。
「アルフィンて言ったな、ここではみんな平等なんだ、俺に敬語とか使うなよ。様とかも付けないでくれ、レナンでいいからな。」
そう、レナンは本当に嬉しそうだった。屈託のない笑顔が、この子の素直な性分を良く現している。でも、この子はこんな所に閉じこめられていて、可哀想な身の上にいるんだなと、アルフィンは少し心を痛めた。

三人がアルオンと契約の話をする間、レナンは小川のある場所で、エルフの少女と話していた。エレミスという、セイグランス王子の腹違いの妹だ。時々この里を訪れる。
兄に話を聞いていたらしく、レナンにそのことを聞いていた。
「何でなのかは知らないけど、三人も新しい友達が出来たよ、女の子もいるけど、お淑やかそうじゃないから気が合いそうだよ。」
嬉しそうに語るレナンに、エレミスも自然と笑みがこぼれる。
「ふふふ、良かったわねレナン。私も一緒にいられたらいいのにな。」
「エレミスも一緒だったら、俺は文句無しだなー。あ、あの嫌な奴がいなかったらもっといいな。」
「そんなこと言ったら可哀想よ、彼は彼なりにあなたの側に居るんだから。」
「う〜ん…。」
小川の辺りは静かで、川の音が聞こえるほどだった。その静かな場所を荒らす者が現れる。迷い込んできたのか、はたまた誰かの手の者か、魔物が一匹。
「エレミス逃げろ!俺が相手だ!」
レナンは腰にあるはずのものに手を掛けようとして、それが無いことに気付く。帯剣していない。
魔物は二人に向かって飛びかかる。レナンは咄嗟に木の枝を手に取るが、役に立つものではないのはわかっている。エレミスを守らなくてはと、頭の中に逃げの文字は無かった。
「レナン!姫を連れて逃げろ!」
その場に、魔物の唸り声を聞きつけて、ラディエルが現れた。
「バカ野郎、俺だって戦える!」
「馬鹿はお前だ、丸腰で何が出来る、さっさと逃げろ!」
この期に及んでも口喧嘩をしつつ、魔物に対抗する。魔物はすばしっこく、逃げようとすれば追いつき、向かおうとすれば避ける。
その時だった。

「いただきィ!」

魔物は、一撃で倒れた。そこには、刀…いやサムライブレード天水丸を持つアルフィンの姿があった。
「無事?」
アルフィンが声を掛ける。レナンはアルフィンの強さに驚いたようで、目を丸くしている。
「うん、大丈夫だ。…強いんだな、アルフィンは。」
レナンは少し気が抜けたようで、そう言った後息を吐く。
「まあ、剣で食べていこうと思ってるんで、それなりで〜す。なんて。」
アルフィンはおどけて見せる。
そう言われて、レナンの頭によぎったことがあった。確か、父王の危機を救った勇者の名が、確かアルフィンだ。
「そうか…お前は、俺を守るために来たんだな…?」
複雑な色の表情で、アルフィンを見るレナン。
「友達になりに来たんだよ。」
アルフィンは言う。
「勇者が友達なのは悪くない。」
そう言うレナンの顔を見て、ああ、気付かれたかと、アルフィンは思った。
「レナンも勇者だよ、決して逃げようとしないで戦ったよね。」
「アルフィン…、俺は守られる存在だ…勇者なんかじゃないさ。」
出会ったときの元気の良さは何処へ行ったのかというほど、レナンは切なげだった。
「ううん、勇気は誰の心にもあるものだよ、消極的になっちゃダメ。」
そう言うアルフィンの表情が輝いて見えた。
「うん…そうだよな、俺もアルフィンみたいに強くなりたい!」
そう、レナンは笑顔を取り戻した。

「すっかりお株を奪われたか。」
アルオンはラディエルを冷やかす。ラディエルは、さも面白く無さそうにその場を去る。
「姉上が見込んでいる勇者か、成程、前向きで光の様な存在だな。」
アルオンはそう零すように言うと、アルフィンから蒼い空へと視線を移した。
空は蒼く澄み渡り、冬が近いことを空気がピンと張って伝える。
そう、この少女は、喩えて言うなら青空かな、と。



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