銀桂小説・借りてきた変な本と一緒にすんなァァァ!

借りてきた変な本と一緒にすんなァァァ!

銀時が帰ってくると、神楽が首を傾げながら本を読んでいた
最近かぶき町でも女子の間で流行っているらしいからと、借りてきたのだという
神楽はよくわからないアル、とか言いながら、パラパラとページをめくる、そのマンガ

「オイ、それBLじゃねーのか、神楽オメーそんな趣味あったワケ」

銀時は訝しげに覗き見て、ちょっとイヤな顔をしてみせる

「これ、この男子二人、ボケとツッコミらしいアル」

イヤ、違うだろ、ボケとツッコミじゃなくて受けと攻めだろ?!
銀時は思わずツッコむ

「よくわかんないけど、つまりはヅラと銀ちゃんのことアルな」

あ⁈ソレ意味わかってねーじゃねぇか、ボケとツッコミじゃねーよ、ギャグマンガじゃねーよと
繊細なタッチで描かれた少年たちの恋愛ものらしかったが、神楽の趣味でもなく

「つまんねえ顔してるくらいならンなモン返して来いよ、お前そんなん趣味じゃねぇだろ」

「銀ちゃんがヅラのバレンタインチョコ受け取るところまでは読みたいアル」

「変な重ね方して読むなァァァ!」

ああっなにするネ銀ちゃん!と、神楽は銀時にBLマンガを取り上げられて、返して来なさい!と言われて拗ねる

「そんなに、マンガのひとつくらいでガタガタ云うな銀時」

玄関に桂の姿

「はぁ⁈オメーいつからそこにいたんだよ!」

神楽に向けていたギャグな怒り顔を桂に向ける銀時
隣には新八もいる

「そこで会ったんでお連れしましたよ銀さん」

「銀時、今日は団子の季節限定中秋の名月なんとか言う美味そうなものを買ってきたぞ」

桂の顔は団子を掲げつつ無駄にキラキラと嬉しそうな気がする

「あ、今のヅラの顔、バレンタインチョコをツッコミに渡そうとしてるボケにそっくりアル!なんか内容がやっとアタマに入ってきたアル!」

「イヤ・・・たぶんチョコを攻めに渡したい受けってこと⁈何でそれで内容把握してんの神楽ちゃん⁈」

新八にツッコまれつつ、神楽はなんとかその一冊を妙な速さで読破した

「やっぱり、これは銀ちゃんとヅラの話だったアル、ちゃんとツッコミはボケからチョコ貰って、逆に告ったアル、漢だなツッコミ!」

「イヤ、俺はこいつからそんなチョコ貰ったことねーけど?!気色わりーからソレと重ねるのもうやめろよ」

「普通そういうの読みながら、漢だな!とか言いませんよね女の子・・・」

「リーダーらしくて良いではないか」

つーわけで!と神楽は突然立ち上がる

「読んだから返してくるアル、新八も来るネ、ここはボケとツッコミをふたりきりにするべきアル!」

そう言って神楽は、新八の手を強引に引き、銀ちゃんとヅラ、をふたりきりにした

「・・・ったくよぉ、似合わねぇBLなんか借りてくんなよ」

「銀魂はギャグマンガでもある、ボケとツッコミなら間違ってはおるまい」

「オイヅラぁ、意味もわからずボケんじゃねーよ、ツッコむぞコラ」

そう言っていきり立つ銀時の口に、季節限定中秋の名月団子がツッコまれる

「まあ、甘味でも食して落ち着け、美味いか?」

美味いけど。

ツッコミも攻めも譲った覚えはねぇぇぇぇ!

「あ、雨降ってきた」

「秋の空は変わりやすいな」

「ヅラ、お前傘持ってねーよな、泊まるか」

「ヅラじゃない桂だ、多少の雨くらいで迷惑をかけるわけには・・・」

「ヅラ、おとなしく俺のツッコミをケツの穴で受け・・・」

ただいまー

オイィィィ!!
ふたりきりにしたかったわりに、帰るの早くね⁈

「雨降ってきたから返して帰って来たアル、ゴルゴ借りてきたネ!やっぱコレアル!」

「あ、席外してたほうがいいですかね?」

半端に絡まり合いそうでそうなってない、銀時と桂を見て、新八は冷静にそう言ってきた

「ああ、気にしないでくれ新八君リーダー、で、銀時、結野アナがどうしたって?」

結野アナの天気予報にはまだ早いアル、と神楽は桂の隣に座ると

「団子もいいけど、バレンタインチョコはハートの手作りがいいアルな!」

と、蒸し返しそうなことを言い出す

「そうか、手作りか、心しておく」

桂は妙に至極納得行ったという面持ちでそう言った

神楽の顔がギャグなニヤけに変わる、銀ちゃん〜来年楽しみアルなあ?と

ったくよぉ、BLマンガと一緒にすんなよ
銀魂は少年マンガなんだよ?
俺ァ、主人公だよ?

・・・来年期待してもいいのかなーなんて
どーせまた、ドタバタで流れるんだろ

数日後、桂は手作りチョコのやけに立派なケーキを持参し、
これならどうだ!と、よくわからないノリで銀時を驚かせた。
チョコの味のするキスくらいはした。

おしまい

2025/10/11 彩川りんな